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新刊情報  
 
『輸送密度から鉄道の本質が見える』
 
 
【編 著】
大内 雅博
【解 説】
交通統計研究所が編集・発行している機関誌「交通と統計」上に、2013年7月号から2015年10月号まで連載した合計10回分の「輸送密度から鉄道の本質が見える」を加筆修正したものです。日本の鉄道の二大特徴である新幹線を第1部に、東京圏の通勤鉄道を第2部とし編集しました。
【価格】
2,037円(うち税185円) A4版、127頁/2017年5月発刊 送料別 
 
『詳細』

推薦のことば 大東文化大教授 今城 光英

本書は、大内雅博教授が執筆した鉄道の輸送量と輸送力に関する力作である。
 
書名に見るように、輸送密度の考察を通じて、鉄道輸送の本質に迫ろうという野心作である。対象としているのは、新幹線と東京圏通勤輸送である。日本の鉄道が立地する二大市場が、東海道の都市間輸送と、東京圏の通勤輸送だから、本書は鉄道輸送がその特性を発揮できる、最も得意な分野を扱っていることになる。
 輸送密度(トラフィック・デンシティ)は、鉄道輸送量の大小を正確に示す基本的な統計数値である。輸送密度は、各駅で発生する発着人員と、各駅間で発生する通過人員を、営業日1日平均で表す数値で、駅間はもとより、線別、線区間別、あるいは時間帯別などに把握することが可能である。元になる駅間発着通過人員調査票は、鉄道経営の基本となる統計で、おそらく鉄道の開業以来作成されてきたものである。輸送密度は、地方交通線の存廃にかかわる数値として人口に膾炙しているが、もちろんそれだけのものではない。
日本における唯一の鉄道統計に関する研究機関である(一財)交通統計研究所に発着通過人員表がすべて保管されているかというと、残念ながらそうではないのだが、大内教授は公刊された統計書をはじめ、同研究所が保管する統計を集めて本書を出筆した。輸送密度は需要側の数値だが、他方の供給側について輸送力を定員数、定員キロでとらえれば、両者の比率が乗車率(乗車効率)、混雑率を示し、生産と消費が同時に進行する即時財生産という鉄道事業の特徴を統計的に表現することが出来る。
 本書では、これらの数値を活用して、新幹線穴場駅、東京志向、通勤線区の輸送密度推定など、国土計画や輸送改善に資する魅力に富んだ議論がなされている。本書は著者が持つ深い関心が読み手に伝わる好著で、あらためて多くの方々に推薦する次第である。


 
 

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